糖質制限ダイエットを始めてから、食べ物や飲み物を買うときに
「栄養成分表示をみて糖質を確認する」
という方も多いのではないでしょうか。
ところがそれだけでは「痩せて健康的なカラダを手に入れる」には不十分で、栄養成分表示と合わせて見てほしいのが「原材料名」です。
あなたが食べる食品には、どんな「甘み」が使われていますか?
この記事では、糖質制限ダイエットのために砂糖をやめて人工甘味料にしても痩せないワケについてご紹介しています。
人工甘味料とは
甘味料とは食品に甘みをつけるために使われる調味料のことで、糖質系甘味料と非糖質系甘味料があります。
:炭水化物に分類される甘味料
:炭水化物に分類されない甘味料
「人工甘味料」とは、炭水化物に分類されない甘味料で、天然に存在しない甘み成分を、人工的に合成した高甘味度甘味料のことです。「合成甘味料」とも言います。
人工甘味料の種類
日本とアメリカで認可されている「人工甘味料」は以下の5種類です。
- アスパルテーム
- アセスルファムカリウム(アセスルファムK)
- サッカリン
- スクラロース
- ネオテーム
《補足》「ショ糖」は白砂糖の主成分です。
これらの人工甘味料がどれくらい甘いかを指す「甘味度」と「特徴」をまとめました。
人工甘味料 | 甘味度(ショ糖=1) | 特徴・主な用途 |
アステルパーム | ショ糖の約200倍の甘さ | 味の素の『パルスイート』が有名 |
アセスルファムカリウム (アセスルファムK) |
ショ糖の約200倍の甘さ | パン クッキー スポーツドリンク |
サッカリン | ショ糖の約200〜700倍の甘さ | 歯磨き粉 のどスプレー |
スクラロース | ショ糖の約600倍の甘さ | 熱に強い お菓子全般 |
ネオテーム | ショ糖の約10,000倍の甘さ | 甘みの他に、食品の風味を引き立たせる効果や、苦味などの不快な味を低減させる効果がある。 |
これらの人工甘味料はお菓子だけでなく、
●糖質ゼロ
●低カロリー
●〇〇レス
●ダイエット〇〇と表示されている商品
●低う蝕生(虫歯になりにくい性質)の商品
●特定保健用食品(トクホ)
などにも入っています。
いずれの人工甘味料も日本では国が定めた指定食品添加物なので、制度上は安全であるとされています。
人工甘味料は摂取しても血糖値は上昇しない?
血糖値が上がる仕組み
「血糖値」とは、血液中に含まれるグルコース濃度のことです。
おおまかに、血糖値が上がる糖質は「炭水化物」に分類されます。
炭水化物 = 糖質 + 食物繊維
食事で「糖質」を摂ると、消化酵素によって分解され、糖質は「ブドウ糖(グルコース)」になり、血糖値が上昇します。
「食物繊維」は体内に消化吸収されずに排出されるため、血糖値を上げないとされています。
一方、「人工甘味料」は炭水化物に分類されない甘味料で「ブドウ糖(グルコース)」が含まれず、消化吸収されずに排出されるので、人工甘味料を摂取しても血糖値は上昇しません。
人工甘味料のメリット・デメリット
「甘いのに血糖値が上がらない」というと、糖質ダイエットをしている立場からすると魅力的ですよね。
でも未だに砂糖も人工甘味料も販売され続けているということは、「人工甘味料に何かデメリットがあるはず!」と思い、人工甘味料のメリット・デメリットについて調べました。
人工甘味料のメリット
●人工甘味料は、虫歯になりにくい性質(う蝕生)があるので、虫歯予防に適している。
<例>キシリトールガム
●人工甘味料は少量でも甘みが強く、低カロリー(カロリーゼロの人工甘味料もある)なので、摂取カロリーを減らすことができる。肥満の予防・改善に役立つ。
●人工甘味料は食後の血糖値が上昇しないので、肥満・糖尿病の予防や治療に有用であると期待できる
人工甘味料のデメリット
●糖尿病の発症や悪化をもたらす
人工甘味料を長期にわたって習慣的に摂り続けると、血糖値を正常範囲に保つ能力に異常をまねいて、糖尿病の発症や悪化をもたらすという報告が増えています。
これは人工甘味料を摂っても、血糖値の上昇が起こらないことが原因とされています。
●依存性がある
人工甘味料は「低カロリー・ゼロカロリー」だからと安心して摂り続けると、強い甘さに慣れて味覚が鈍り、野菜や果物などの自然の甘みに物足りなさを感じるようになります。
また人工甘味料の強い甘さに、脳は快楽を感じます。習慣的に人工甘味料を摂りすぎると、中毒状態になってしまうことがわかっています。
●肥満につながる
血糖値の上昇が起こらないことが原因で、甘味に関する感覚が鈍くなり、より甘い糖質を多く摂取したくなる…といったように、食欲のコントロールが乱れ、むしろ太りやすくなると考えられています。
●下痢
キシリトールなどの人工甘味料が入っている製品には、「一度にたくさん食べると、お腹がゆるくなることがあります」と表記されているように、下痢の症状をきたす恐れがあります。
人工甘味料は「ゼロカロリー」でも太るって本当?
本当は「ゼロカロリー」じゃない
パッケージに表示されている「ゼロカロリー」は、実は0じゃないんです。
食品や飲み物の「ゼロカロリー」表記には基準(栄養表示基準)があって、100ml(g)当たりのエネルギーが5kcal未満の場合は「カロリーゼロ」や「エネルギー0kcal」と表示していいルールになっています。
だから「ゼロカロリー」だからといって安心して大量に摂取すると、本当にゼロカロリーではないということなんです。
そして人工甘味料が太る理由は、先ほどもあげたように
●人工甘味料には依存性があること
●習慣的に摂り続けると、脳や舌が麻痺して食欲のコントロールが乱れること
があります。
【まとめ】砂糖の代わりに人工甘味料を使うといい?
人工甘味料が太る原因になり得る理由とデメリットをたくさんあげましたが、人工甘味料は適度な量で、過剰に摂りすぎなければ問題ありません。
人工甘味料を使うときは、健康状態に与える影響をしっかり踏まえて適度に使えば、砂糖の代わりに使えますし、摂取カロリーを減らして、食後の血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。
ダイエット中も、たまには甘いもので息抜きをして、健康的なカラダを手に入れましょう!